日本人と外国人の違い|価値観や考え方のズレはなぜ起きるのか?

外国人採用が増える中で、「スキルや日本語力は十分なのに、仕事の進め方で違和感を感じる」といった場面は珍しくありません。

これは個人の性格や能力の問題ではなく、育ってきた文化や社会背景の違いによる価値観・思考の傾向が影響しています。

 

本記事では、こうした傾向を整理し、実際の職場で起きやすい事例を交えながら、外国人採用での理解のポイントを解説します。

日本人と外国人では、なぜ価値観や考え方が違うのか?

日本人と外国人の思考の違いは、個人差ではなく、育ってきた社会や文化の影響が大きく関係しています。

日本は長く単一文化社会であり、一般的な傾向として、

  • 周囲と足並みをそろえる
  • 空気を読む
  • あえて言葉にしない

といった行動が好まれる傾向にあります。

一方、海外では多民族・多文化社会が一般的で、

  • 意見は言葉で伝える
  • 役割や責任を明確にする
  • 違いがあることを前提に話し合う

という考え方が基本になります。

この前提の違いこそが、「なぜ日本人と外国人では思考に違いが生まれるのか」という疑問の根本的な答えです。

日本人と外国人の考え方・思考の違いが出やすいポイント

仕事の進め方に対する考え方

日本人は、チーム全体の調和を重視し、周囲の状況を見ながら柔軟に動くことを良しとする傾向があります。
一方、外国人は「自分に与えられた役割をきちんと果たすこと」に強い責任を持つケースが多く見られます。

どちらが正しいという話ではなく、責任の捉え方が違うというだけです。

指示や判断に対する基準

日本の職場では、過去のやり方や雰囲気から判断する場面も少なくありません。
しかし外国人にとっては、明確に言語化されていない指示やルールは、判断材料になりにくいのが実情です。

このような「読み取り前提」と「明文化前提」の差が、ズレを生む典型です。

職場で起こりやすい具体的な事例

【事例①】指示されていない業務には対応できないとされた

業務の進行が想定より遅れた際に、起こりうる事例です。

日本人の傾向

  • 前回と同じ流れだったので、そこまで細かく言わなくても分かると思っていた。
  • 状況を見て、必要なことは進めてほしかった。

外国人の傾向

  • 指示された業務はすべて完了していた。
  • 追加で対応するよう言われていなかったので、勝手に判断するのは避けた。

ここで表れているのが、日本人と外国人の考え方の違いです。
日本人にとっては「察すること=配慮」ですが、外国人にとっては「指示外の行動=リスク」になることがあります。

能力ややる気の問題ではなく、思考の前提が異なっているだけなのです。

【事例②】残業対応ができないとされた

繁忙期における残業対応の場面で、起こりうる事例です。

日本人の傾向

  • 忙しい時期なんだから、多少は協力してほしかった。
  • 断られるとは正直思っていなかった。

外国人の傾向

  • 勤務時間内は集中して仕事をしている。
  • 残業が前提であるとは聞いていなかったので、断った。

日本では、頑張りや責任感を“時間”で測る価値観が残っている職場もあります。
一方、海外では「限られた時間内で成果を出すこと」が評価の軸になることが一般的です。

このように、日本と海外では仕事観や時間に対する価値観が大きく異なります。

事前の説明や合意がないままでは、ズレが生じるのは当然と言えるでしょう。

【事例③】指導が強い否定として受け取られた

業務上のミスを指摘した際に、起こりうる事例です。

日本人の傾向

  • 本人のためを思って注意した。
  • 次は同じミスをしてほしくなかった。

外国人の傾向

  • 人前で強く言われ、メンツが潰れた。
  • 能力や人格を否定されたように感じた。

日本では、厳しい指摘=期待という文脈で受け取られることもあります。
しかし海外では、公の場での指摘は評価の低下や否定と受け止められるケースも少なくありません。

この点も、日本人と外国人の思考の違いが顕著に表れる場面です。

事例から見えてくる、日本人と外国人の思考の傾向

これらの事例に共通しているのは、日本人は察することを前提に行動することが多く、外国人は言語化されたルールを前提に行動することが多いという点です。

価値観の違いは、是正すべき問題ではなく、採用・教育設計に組み込むべき前提条件です。

つまり、事前にルールや期待値を明確化し、ズレが起きにくい環境を作ることが重要になります。

価値観の違いを前提にした外国人採用の考え方

外国人採用を成功させるためには、以下のポイントを意識するとよいでしょう。

1.日本式に過ぎない
無理に日本式のやり方を押し付けると、ストレスや摩擦が生じやすくなります。

2.暗黙の了解を言語化する
「前例通り」「みんなやっている」など、文化的な前提は明確に理由・背景を説明することで誤解を防ぎます。

3.評価基準や期待値を事前に共有する
結果重視の傾向や努力重視の傾向など、価値観の違いに応じて評価軸を共有すると安心です。

外国人採用は「能力」より「考え方の相性」で決まる

外国人専門の人材紹介エージェントでは、スキルや日本語力だけでなく、

  • 仕事への考え方の傾向
  • 日本の職場文化への理解度
  • 企業との価値観の相性

まで踏まえてマッチングを行っています。

価値観の違いを理解し、個々の性格や経験に合わせた柔軟な対応を前提に採用設計することが、定着率や成果向上につながります。

外国人採用をご検討中の企業様は、ぜひ一度ご相談ください。

記事監修者
高梨 洋一
高梨 洋一
株式会社リーラコーエンジャパン CEO                       株式会社リクルートにて法人営業、海外事業、営業企画部部長など13年間経験。その間、ファーストリテイリングへ出向し人事・外国人採用に従事。シンガポールや上海で駐在し海外で人材紹介事業を運営。2015年より株式会社ネオキャリアに入社し、シンガポール法人の社長、海外事業全体の経営企画と経営管理を管掌する。その後は、日本企業の働き方の多様性と生産性向上を人の観点で支援すべく、2019年より株式会社ヨンイチを設立。2023年より主力事業である「Bridgers」の事業責任者となり、現在に至る。 現在は、主に海外経験と外国人雇用の知識とノウハウを活かして、多くの中小企業の外国人採用支援など行う。