外国人留学生を採用するメリット・デメリット|優秀な人材を確保する方法とは

国際競争力の強化や人手不足の影響から、積極的に外国人留学生の採用をすすめる企業が徐々に増加しています。

外国人留学生を採用するメリット、また採用後に企業が直面している課題や優秀な留学生を採用する方法についてご紹介していきます。

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外国人留学生の採用を考えるべき理由とは?

リクルートワークスの調査によると、2026年卒の大卒求人倍率は1.66倍と、2025年卒の1.75倍から0.09ポイント低下しましたが、引き続き堅調な採用意欲がみられます。そのような状況の中で各社初任給の引き上げなど、学生の引き付けに向けた取り組みを行っています。

そこで新卒採用の手段の一つとして、「優秀な外国人留学生の採用」が注目を集めています。また、企業のダイバーシティ推進の一環として、外国人留学生の採用を検討している企業も少なくありません。

出入国管理庁によると令和6年6月時点で技術人文知識・国際業務の在留資格で活躍する外国人人材は394,295名です。留学ビザで日本に滞在している学生も368,589名にも上ります。

今後外国人を活用し人材の強化を目指すことは一般的な選択肢となっている中で、本記事では留学生を採用するメリットおよび受け入れの課題について解説します。

外国人留学生を採用するメリットとは

2024年12月に行われたキャリタスの「外国人留学生/高度外国人材の採用に関する調査」によると、新卒採用を実施している企業のうち4社に1社が(25.6%)新卒採用において留学生を受け入れています。

外国人を採用するメリットとしては以下の点が挙げられます。

優秀な人材を確保できる

留学生を採用するメリットにはまず、優秀な人材と出会いやすいことが挙げられます。

先ほどご紹介しましたキャリタスの「外国人留学生/高度外国人材の採用に関する調査」によると外国人留学生を採用する目的の最も多い回答が「優秀な人材を確保するため」という結果になっています。

特に、IT系、研究・開発・設計職のような専門性を必要とする職種において外国人を活用している企業は増えていくといえるでしょう

社員に刺激を与え、企業が成長する

学習意欲の高い外国人を採用することは社員に刺激を与えることにつながります。言語の中でも習得が難しい言語である日本語をビジネスシーンで活用できるように、努力している姿や実際に成長する様子をみることで日本人社員にも影響があるでしょう。

実際に外国人を採用した企業の方からはこのような声も届いています。

入社した外国人の方々は、仕事への取り組み方が積極的で、能力をレベルアップさせるために常に前向きに取り組む姿勢が顕著で、既存の社員も良い刺激になっています。

企業が成長し続けるには、国籍にとらわれず自社に適した優秀な社員を受け入れていくことが必要不可欠だと感じています。(船舶用機器メーカー / 静岡県 / 100名規模)

また、業務上英語を活用する必要がある企業では積極的に外国人を採用しています。英語が堪能な留学生を採用することで、社員の英語活用への意識へ強い影響も与えているそうです。

母国語のほかに日本語・英語が堪能の中国人や、自身ですでに事業を持ったことがあるオランダ人に出会い、一緒に仕事をしました。

日本にいると英語が話せるだけですごいと言われますが、世界には本当に色々な人がいるのだと衝撃を受けました。様々なバックグラウンドを持った外国人と一緒に仕事をすることは、日本人だけで働くのとは全く違った刺激を受けますし、視野が広がります。(元楽天社員 / 女性 / マーケティング職)

海外進出の際に戦力になる

海外への事業拡大を見据えている場合、その国の外国人を採用し、戦力になってもらうことを見越している企業もあるようです。

海外現地法人の立ち上げや、海外のクライアントとの取引など、言語や現地の商習慣の理解が必要な場面では、実際にその国で生まれて育った方や、言葉が同じ場合、現地の人々と日本企業の間に生じるずれを是正し、正確な情報を入手する橋渡し役としての役割も期待できるでしょう。

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外国人留学生採用の課題とは

大きなメリットがある外国人留学生の採用ですが、もちろん課題もあります。

高い日本語能力が求められる

キャリタスの「外国人留学生/高度外国人材の採用に関する調査」によると、80%以上の企業が入社後にビジネス中級レベル以上の日本語力を求めています。

また、同調査の「外国人社員活用の課題」によると社内での日本語のコミュニケーション不足を課題に感じている企業が59.2%という結果になりました。

特に入社直後は日本語に苦労する場面もありますが、長期で働くことで、日本語や社風への理解が進むため、現場でも外国人に寄り添いながらご活躍を支援することが必要です。

社内の受け入れ体制を整える必要がある

外国人留学生を採用する際は、社内の受け入れ体制をできるだけ整える必要があります。日本語の研修だけではなく、マナー研修や、上司部下の定期的な面談などは必須です。言葉や文化の違いによって、認識の違いが起こることもあるでしょう。

」何かトラブルが起こった際には、社員同士で話し合い、その都度改善をしていく姿勢が必要です。

また、仕事の進め方や価値観の共有をきちんと行うことも重要です。例えば「空気を読む」「察する」といった、日本における“暗黙の了解”の文化は基本的に通じないと考えるべきでしょう。指示はしっかりと言葉で伝え、理解を確認することが大切です。

外国人留学生の多くは、日本の文化を学んでおり、「時間を守る」「業務改善のために努力する」「目上の人を敬う」といった姿勢を理解している場合もありますが、ときにはなぜそれが重要か、価値観の部分から共有する必要もあります。

外国人留学生を採用する際に注意すべきこと

外国人留学生を採用する際の注意点として、在留資格の確認が挙げられます。

正社員として外国人を受け入れるためには、主に専門性の高い仕事に従事する「技術・人文知識・国際業務」(就労ビザ)を申請することになります。しかし、任せる仕事内容や留学生の専門性によっては「技術・人文知識・国際業務」の許可が下りない可能性もあります。

事前に、採用する外国人や受け入れる職種が、就労ビザ取得の要件を満たしているかを確認する必要があるでしょう。

 

まとめ

外国人留学生を採用するためには、就職フェアの活用や、大学機関との連携、就職サービスのような出会いの場を積極的に活用することが重要です。

外国人留学生を採用することは、企業の成長にとっても、今後の人材不足を見越した戦略としてもスタンダードになりつつあります。

日本語のコミュニケーションや社内の受け入れ体制といった課題も考慮しつつ、受け入れの準備を整え、優秀な人材を採用していきましょう。

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記事監修者
高梨 洋一
高梨 洋一
株式会社リーラコーエンジャパン CEO                       株式会社リクルートにて法人営業、海外事業、営業企画部部長など13年間経験。その間、ファーストリテイリングへ出向し人事・外国人採用に従事。シンガポールや上海で駐在し海外で人材紹介事業を運営。2015年より株式会社ネオキャリアに入社し、シンガポール法人の社長、海外事業全体の経営企画と経営管理を管掌する。その後は、日本企業の働き方の多様性と生産性向上を人の観点で支援すべく、2019年より株式会社ヨンイチを設立。2023年より主力事業である「Bridgers」の事業責任者となり、現在に至る。 現在は、主に海外経験と外国人雇用の知識とノウハウを活かして、多くの中小企業の外国人採用支援など行う。