外国人留学生を採用するメリット・デメリット|優秀な人材を確保する方法とは

国際競争力の強化や人手不足の影響から、積極的に外国人留学生の採用をすすめる企業が徐々に増加しています。

外国人留学生を採用するメリット、また採用後に企業が直面している課題や優秀な留学生を採用する方法についてご紹介していきます。

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外国人留学生の採用を考えるべき理由とは?

日本の総人口は長期の減少期に突入し、労働力人口(15歳~65歳)はこの10年(2008~2017年)で約70万人減少しました。

その一方で、有効求人倍率は1.5倍を超えており、人材採用の難易度はますます高まりをみせ、国内の人手不足は一段と鮮明になりつつあります。

こうした課題の解決施策のひとつとして、「優秀な外国人留学生の採用」が先進企業の間では注目を集めているのです。また、企業のダイバーシティ推進の一環として、外国人留学生の採用を検討している企業も少なくありません。

厚生労働省が2018年1月に発表した『「外国人雇用状況」の届出状況まとめ』によると、日本国内で就業する外国人労働者は、2016年には100万人を突破し、2017年10月には約128万人に達しました。業種業界問わず、今後も外国人採用の必要性は高まり続けると予測されます。

外国人留学生を採用するメリットとは

リクルート 就職みらい研究所の「外国人留学生の採用・就職に関するデータ集」によると新卒採用を実施している企業の外国人留学生採用状況は2017年卒で20%前後です。また、マイナビが実施した「2017年卒 企業 外国人留学生採用状況調査」によると2017年卒の外国人留学生採用を実施した企業は約20%。

上記の外国人留学生の採用は、まだ一般的になっているとは言いがたいかもしれません。しかし、外国人留学生採用には下記のようなメリットがあり、確実に注目を集めています。

優秀な人材を確保できる

留学生を採用するメリットにはまず、優秀な人材を確保しやすいことが挙げられます。

先ほどご紹介しましたマイナビの「2017年卒 企業 外国人留学生採用状況調査」によると、外国人留学生の入社後の活躍について、「予想以上に活躍するしている」が2.7%、「十分に活躍している」が41.8%と、優秀な戦力として期待通りの成果を挙げていることがわかります。

社員に刺激を与え、企業が成長する

日本語は、漢字・カタカナ・ひらがなと文字の種類が多い上に、ビジネスシーンでは敬語も不可欠です。このような難しい言語を習得しただけではなく、ビジネスマンとして母国外で働ける人材は、間違いなく優秀と言えるでしょう。

実際に外国人を採用した企業の方からはこのような声も届いています。

入社した外国人の方々は、仕事への取り組み方が積極的で、能力をレベルアップさせるために常に前向きに取り組む姿勢が顕著で、既存の社員も良い刺激になっています。

企業が成長し続けるには、国籍にとらわれず自社に適した優秀な社員を受け入れていくことが必要不可欠だと感じています。(船舶用機器メーカー / 静岡県 / 100名規模)

参照:『neocareer(ネオキャリア)

また、英語が社内公用語となった楽天では、積極的に外国人を採用。海外展開の拡大を見据える上ではマストの施策と言えますが、社員に強い影響も与えているそうです。

母国語のほかに日本語・英語が堪能の中国人や、自身ですでに事業を持ったことがあるオランダ人に出会い、一緒に仕事をしました。

日本にいると英語が話せるだけですごいと言われますが、世界には本当に色々な人がいるのだと衝撃を受けました。様々なバックグラウンドを持った外国人と一緒に仕事をすることは、日本人だけで働くのとは全く違った刺激を受けますし、視野が広がります。(元楽天社員 / 女性 / マーケティング職)

日本でのキャリアに前向きな人材を採用できる

独立行政法人日本学生支援機構(JASSO)が実施した『平成29年度外国人留学生在籍状況調査結果』によると、2017年の外国人留学生は267,042人、アジア地域からの留学生が93.3%を占めています。

日本に留学するくらいなので、日本が好きであることはもちろんです��、日本の技術やおもてなしを学びたい、ビジネススキルを日本で磨きたい、賃金が高い会社で働きたい、という強いモチベーションがあるようです。

即戦力となる外国人人材を紹介する「neocareer(ネオキャリア)」を通じて日本企業に新卒で就職したアジア人の女性は、このように語っています。

独学で日本語能力検定N1を取得しました。最初は複雑なプランや料金の説明をわかりやすく伝えるのが難しいこともありましたが、今では常連のお客様もできました。日本のサービスは本当に丁寧で勉強になります。ここで学んだ“おもてなし”の精神をいつか台湾に持ち帰りたいと思っています。

(台湾 / 新卒女性 / 携帯電話ショップでの販売営業)

海外進出の際に戦力になる

海外進出を見据えている場合、海外進出の際の戦力になってもらうことを見越している企業もあるようです。

実際にその国で生まれて育った方や、言葉が同じ場合、現地の人々と日本企業の間に生じるずれを是正し、正確な情報を入手する橋渡し役としての役割も期待できるでしょう。

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外国人留学生採用の課題とは

大きなメリットがある外国人留学生の採用ですが、もちろん課題もあります。

高い日本語能力が求められる

株式会社ディスコが実施した「外国人留学生/高度外国人材の採用に関する企業調査」によると、外国人留学生に求める資質については、文系・理系とも「コミュニケーション能力」が1位(文系62.9%、理系 50.3%)、次いで「日本語力」(文系 51.2%、理系 48.5%)。

多くの企業が、様々な状況に対応した日本語での高いコミュニケーション力を求めており、外国人留学生にとっては厳しい条件と言えます。

実際に、同調査の「外国人留学生採用による社内での問題」によると、1位には「言葉の壁による意思疎通面でのトラブル(68.6%)」が挙がっています。ときには日本語を教える必要もあり、現場の負担にならないかなど不安の声もあるようです。

社内の受け入れ体制を整える必要がある

外国人留学生を採用する際は、社内の受け入れ体制をできるだけ整える必要があります。日本語の研修だけではなく、マナー研修や、上司部下の定期的な面談などは必須です。言葉や文化の違いによって、認識の違いが起こることもあるでしょう。

」何かトラブルが起こった際には、社員同士で話し合い、その都度改善をしていく姿勢が必要です。

また、仕事の進め方や価値観の共有をきちんと行うことも重要です。例えば「空気を読む」「察する」といった、日本における“暗黙の了解”の文化は基本的に通じないと考えるべきでしょう。指示はしっかりと言葉で伝え、理解を確認することが大切です。

外国人留学生の多くは、日本の文化を学んでおり、「時間を守る」「業務改善のために努力する」「目上の人を敬う」といった姿勢を理解している場合もありますが、ときにはなぜそれが重要か、価値観の部分から共有する必要もあります。

外国人留学生を採用する際に注意すべきこと

外国人留学生を採用する際の注意点として、実務面では在留資格の確認や、適切な場所での募集が挙げられます。

東洋経済によると、留学生数は増加しているものの、日本国内で就職できる留学生は少ないそうです。2016年度に卒業した外国人留学生のうち、日本国内で就職できたのは31.1%

パソナが2017年11月のJOB博に参加した学生を対象に実施した調査では、32.3%の留学生が「日本で永住して働きたい」、19.9%が「10年以上働きたい」と回答しており、日本企業での長期間の就業を望んでいます。

日本での就業意欲は高いものの、日本式の就職活動に戸惑い、基本的な情報が入手できていないというケースがあるようです。

[参考] 東洋経済 ONLINE「外国人留学生向けの就活支援は喫緊の課題だ

外国人留学生に向け、積極的な情報発信を

こういった状況を打開するためには、外国人留学生に向けた就職フェアの活用や、大学機関との連携、就職サービスを活用した積極的な情報発信が重要です。

これまで見てきたように、外国人留学生を採用することは、企業の成長にとっても、今後の人材不足を見越した戦略としても大きな効力を発揮します。

コミュニケーションや社内の受け入れ体制といった課題も考慮しつつ、優秀な人材を採用していきましょう。

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