採用活動をする中で、韓国の方とのご縁がある企業様も増えてきています。
韓国は隣国ということもあり、日本ともなじみが多く、令和6年時点で411,043人が日本に在留しており、日本に在留している国別でも3位の人数です。
本記事では、韓国人採用するために、韓国の労働市場の基礎及び、採用方法や、注意点について紹介します。
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韓国国内の就職状況
大企業と中小企業で広がる賃金格差
韓国における大手企業と中小企業の年収格差は非常に大きな問題となっています。2024年時点での大企業の平均年収は7121万ウォン(約780万円)であり、初めて7000万ウォンを超えました。一方、中小企業では4427万ウォン(約490万円)で、大企業の62.2%にとどまっています。
今でこそ高額な初任給を出す日本の一部大企業もでてきましたが、日本人から見て韓国の大企業は平均年収をかなり高めに設定しているように見えます。
理由の一つに、成果主義とインセンティブ制度があげられます。日本の年功序列による賃金体系と、韓国の賃金体系では具体的にどのように異なっているのでしょうか?
[参考] KOTORA JOURNAL 驚愕!韓国の大手企業、平均年収1億ウォン超えの理由とは
日韓で賃金カーブはどう異なるか
韓国において大企業と中小企業の初任給の差が発生する理由としては、大企業が優秀な人材を囲い込むため初任給を釣り上げているからとも言われています。特に工学系や情報系の学生は500~600万円台の年収提示も珍しくありません。
日本人が一般にイメージする賃金カーブとしては、年功あるいは職能によって、入社当初は給与が低くてもその後順調に上昇するイメージかと思いますが、韓国の企業は平均的に上がり幅が低く、初任給の額で日本よりリードしていても主任クラスの早い段階で韓国は伸び悩み、日本と給与額が逆転してしまうことも多々あるそうです。
そのため韓国では業務経験者が転職によって給料をあげることは日本以上に積極的です。
[参考] マイナビコリマイナビコリア 【韓国採用①】韓国人視点で見る日本の就職事情の変化
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高止まりする若者の失業率
しかし若者は待遇の厳しい中小企業にすら入社できない
大企業における賃金上昇が目立つ一方で、韓国の雇用状況は、実は日本より厳しいのが現状です。求職者1人あたりの求人件数を指す有効求人倍率を見ると、日本は1を上回る「売り手市場」で、企業の求人が多い状態が続いていますが、韓国は0.6倍前後と求職者に対して求人件数が少ない状態が続き、2023年(0.58倍)には日本(1.31倍)の半分以下になっています。
また先ほど触れた賃金格差の影響で、韓国の学生は大手や公共機関への就職倍率が非常に高い一方で、ブルーカラー職などは人手不足の状態にあり、韓国でも外国人労働者の受け入れも行っています。韓国全体の失業率は2.7%と先進国と比べても低水準ですが、そのなかでも若年層の失業率は5.9%と、就職活動の難しさがうかがえます。
[参考]JETORO: スペック社会を生きる韓国の若年層
韓国での未経験新卒の難易度は高い
上記の状況の中で、韓国は日本と比較して転職が盛んに行われており、未経験新卒人材を育成するよりも、既にスキルのある即戦力の中途人材を求める傾向を強めています。
新卒者の働き口が不足する中で、企業は経験者を強く求めているため、採用のミスマッチが起こっており、韓国の未経験新卒人材の就職の難易度は非常に高いといえます。
このような韓国の状況が、日本語を勉強し日本就職を希望する韓国人が増加する背景となっています。
韓国政府も若者の日本就職を応援
人手不足の日本で働くことを選ぶ韓国人
韓国の若者の就職難に対して、日本は人手不足と隣国同士で正反対の状況です。
韓国政府としても「Kムーブ」と称する、若者が韓国国内から海外に目を向けて就職口が探せるようサポートをできる体制を整えています。具体的には政府系機関である韓国雇用労働部が就職フェアを開催しています。
韓国の若年層の就職難の状況をうけ、特に新卒を採用したい日本企業にとっては、韓国人採用を検討することは人手不足の解決策になるといえるでしょう。
韓国の日本語学習状況
国内で就職難の韓国の方は受験戦争を始めとしてとても勉強熱心であり、資格の取得についても例外ではありません。2024年7月のJLPT(日本語検定)の受験者数を見ると、韓国人の受験者数は47,623名と世界で3番目に多い国籍となっています
日本で働くにあたり、まだまだ日本語力は必須と考える方がほとんどかと思いますが、韓国の方は日本語検定試験の受験者数で分かる通り、とても日本語習得に熱心です。また韓国語と日本語では文法で似た特徴もあるため、韓国人の日本語習得は他の国籍の方よりも習得が進みやすい傾向があります。
日本語を身に付け、「技術・人文知識・国際業務」の在留資格を得て日本で働く韓国人数も増加しており、いま韓国の若者が日本で就職をすることについて官民いずれも前向きです。
[参考] 国際交流基金 【ご報告】「2024年 第1回 日本語能力試験結果の概要」発行について
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韓国人を雇用するメリットと注意点
韓国人の人材を雇用するメリット
日本企業が韓国人労働者を積極的に採用することには、いくつかのメリットがあります。
まず挙げられるのは、日本語能力の高さです。日本語能力試験の韓国人の受験者数が多いことは上記にてご紹介しましたが、韓国人には「幅広い場面で使われる日本語を理解することができる」レベルであるN1を始め、N2やN3など日本語能力の高い人材が多くいます。外国人を採用する際には言語の壁が大きな課題となるので、韓国人を採用することにはメリットがあります。
日本と韓国は隣国であることから気候の特徴が近く、また文化的にも似通っている点が多くあり、韓国人労働者は日本の環境を受け入れやすいというメリットもあります。
特に注目するべきなのは、韓国には儒教が色濃く残っており、年長者を大切にする文化が根付いている点です。近年は変わってきているものの、年功序列の考え方が強い日本の労働環境は韓国人には受け入れやすいと言えます。また、日本語能力が高いことと関連して、日本へ来る前に日本の労働環境についてある程度勉強してきている韓国人も多くいます。
韓国人を雇用する際の注意点
文化的に近い点があるとは言っても、韓国人も異文化の人材であることに変わりはありません。いくつかの注意点を把握しておくことで、トラブルなく韓国人労働者を雇用できるようになります。
労働環境の大きな違いとして挙げられるのは、日本では役職が重視されるものの、韓国では年齢がより重視されるという点です。日本でも年長者は敬われますが、職場においては年下の上司がいることも珍しくなくなってきており、働く上では役職が上の人間をより尊重する傾向にあります。韓国人労働者には違和感となることがあるので、面接や採用時にきちんと伝えておくのがおすすめです。
また、韓国人は思ったことをストレートに発言する傾向にあり、仕事中の雑談も一般的という特徴もあります。そのため日本人からすると「うるさい」「圧が強い」という印象を持つ可能性が、韓国人からすると窮屈だと感じる可能性があります。この点に関しても、雇用前によく周知しておくのがおすすめです。
日本では交通費を支給するのが一般的ですが、一方の韓国では昼食費を支給することが多いなど、小さな違いも多くあります。普段からよくコミュニケーションを取り、日本人労働者も韓国人労働者も気持ちよく働ける職場を作ることが大切です。
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韓国人を採用するには
韓国人を採用したいと考えた場合、主に以下の3つの方法があります。
エージェント・求人サイトを活用
初めて外国人を一から採用する場合、まず検討できるのが外国人採用に特化した求人サイトやマッチングサービスを利用することです。膨大な数の登録者から自社にマッチした人材を探せるため、採用の効率を上げることができます。日本に在留している韓国人は多いことから、韓国人に特化したページが設けられていたり韓国人に特化したサービスが利用できたりするため、積極的に活用しましょう。
従業員や取引先などからの紹介
就労ビザを取得するなどして日本で暮らしている韓国人は多く、従業員や取引先などのツテで人材を紹介してもらうことができます。このような採用方法をリファラルリクルーティングと言い、日本人の採用においても多くのメリットがあるとされている方法です。
韓国学校や日本語学校からの紹介
在日韓国人を対象にした韓国学校や、韓国などから来たばかりの外国人が通う日本語学校とつながりを作り、紹介してもらう方法もあります。このような学校に通っている方は日本に住み続けること、日本で働くことに前向きだと考えられるため、意欲の高い人材を採用できるかもしれません。
まとめ
これまでご紹介してきたように、特に韓国の若年層は就職難にあえいでいる現状があり、人手不足の日本とは需要と供給が一致している状況にあります。ハングリー精神のある韓国人の若者は採用するメリットも多いので、国籍にかかわらず優秀な人材を求める場合は積極的に雇用していきましょう。